お見合い・デートの「割り勘問題」を考える人も多いのではないでしょうか。
デートのたびに議論になる「割り勘」について、皆さんも一度は考えたことがあるのでは?現在は、デートで割り勘にするか奢ってもらうかは、カップルごとのスタイルによる部分も多く、「どちらが正解」というわけではありません。けれども婚活現場で見ていると、「割り勘派」なだけならまだしも、「割り勘すぎる」ことが問題になる場合もあるようです。
自立している30代女性の中には「割り勘に抵抗はない」という方もいるでしょう。でも、いざお見合いやデートで、毎回割り勘すぎると「さすがに少し引いてしまう…」という声もちらほら。今回は、婚活に関わる筆者が実際のエピソードをもとに、この「割り勘すぎる問題」について考えてみました。
公務員の彼女が出会った「割り勘すぎる男性」
美咲さん(41歳・仮名)は公務員としてバリバリ働く自立した女性です。彼女は男女平等の環境で働いているため、割り勘には全く抵抗がない様子。「奢ってもらうと、逆に借りを作ったような気持ちになるんです」と、会話の中でも率直に語っていました。
そんな美咲さんが婚活を始め、初めてのお見合いに臨んだときのことです。お見合い相手の大輔さん(42歳・仮名)も堅実な性格の男性で、仕事に対する姿勢も真面目。しかし、この日のティーラウンジでの出来事が、後々まで彼女の印象に残ることになりました。
その日は少し高めのラウンジでコーヒーが1杯1800円ほど。運ばれてきたメニューを見た大輔さんは少し驚いた様子で、「コーヒーがこんなに高いなんて!」と、声に出してしまいました。そして、「でも、おかわりできるから2杯飲めば半額みたいなものですよね」と計算し始め、美咲さんは苦笑い。会話が始まっても、しばらくの間はコーヒーの値段の話題が続き、少し微妙な空気が流れました。
とはいえ、大輔さんはフランクな性格で、話していると楽しい会話も続きました。1時間半ほどお見合いの席を楽しんだ後、「では行きましょうか」と席を立とうとした時、彼が少し気まずそうに一言。「仲人さんには『お茶代は男性が出して』と言われているけど、この値段なので…」と切り出し、美咲さんもすぐに察しました。「大丈夫です、私の分は払いますよ」と返し、二人は別々に会計を済ませ、その日はそれで別れました。
仮交際スタート!ファーストデートで感じた「違和感」
その後、美咲さんと大輔さんはお互いに交際希望を出し、仮交際がスタート。ファーストデートは、美術館で開催されていた展覧会に行くことに。実は、この展覧会は大輔さんのお気に入りの画家によるもので、美咲さんも「そこまで好きではないけれど、お付き合いで行ってみよう」と思っていました。
待ち合わせ当日、14時に美術館の入り口に到着した美咲さんが5分ほど待っても、彼の姿はありません。不安に思い連絡をすると、「僕は中で待っているので、チケットを買って入ってきてください」と返信が。彼が展覧会に誘ったのだからチケットを用意してくれているかも?と少し期待していた美咲さんですが、「あ、こういう金銭感覚なんだ」と少し驚きつつ、自分のチケットを購入し中へ向かいました。
展覧会を楽しんだ後、「よく行くお店があるから」と連れて行かれたのはセルフサービスの飲食店。彼は「お先にどうぞ」と促し、美咲さんはピザとサラダ、ビールを注文して先に会計。続いて大輔さんも注文しましたが、それぞれが頼んだメニューはそのまま自分で食べるスタイル。少しシェアしたり、一緒に楽しむ食事を期待していた美咲さんには、「ちょっと同僚っぽい雰囲気?」と違和感が残りました。
割り勘すぎる男性に感じる「違和感」
美咲さんは大輔さんの率直で多趣味な面に魅力を感じながらも、少しずつ「割り勘すぎる」ことに対する違和感が拭えなくなっていました。会話が楽しいことは確かでしたが、一緒にいることで生まれる「親しみ」や「気配り」が欠けているようにも思えたのです。
デートの際に会計をシェアすること自体に不満があるわけではなく、「あまりにもきっちりしすぎている」ところが、少し距離を感じさせてしまいました。もちろん、30代で自立した女性が多い現代、割り勘のデートは一般的にもなっています。しかし、美咲さんにとっては、「交際中の彼」としての気遣いやちょっとした温かさを感じられないことが、恋愛対象としての関心を薄れさせたのかもしれません。
デートでの「奢り」は、もてなしの心?
以前と違い、現代のカップルは経済的な負担も分かち合うことが一般的になりました。それは女性の社会進出が進み、男女平等の考えが浸透しているためです。「デートは男性が奢るべき」と一方的に主張するのも確かに古い考えかもしれません。
ですが、「奢る」「ごちそうする」という行為には、「もてなしの心」や「相手を大切にしたい気持ち」が込められることもあります。必ずしも毎回奢る必要はなくても、特別なデートや記念日などのタイミングで「今日は俺が」とスマートに奢る男性は、どこか心に響くものを感じさせてくれます。
実際、婚活現場でも「初デートは男性が少しリードしてくれると嬉しい」という女性の声は多く聞かれます。相手に対するちょっとした気遣いを示すことで、「一緒にいる心地よさ」や「親しみやすさ」が生まれ、交際もスムーズに進みやすくなるのかもしれません。
婚活における「割り勘問題」を超えて
結婚相手としてふさわしいかどうかを見極めるためには、お互いの金銭感覚が合っているかも重要なポイントです。「奢る、奢られる」だけでなく、二人の価値観や考え方がどれだけ一致しているかを、デートを重ねる中で確認していくのが良いでしょう。
もちろん、割り勘が当たり前と考える人が悪いわけではありません。ですが、「お金」の面での価値観が合わない場合、他の部分でもギャップが生まれやすいとも言えます。将来のパートナーとして、相手をどう支え合えるか、もてなしの気持ちをどのように表現できるか、金銭面以外でも考えてみることが大切です。
「ちょうどいい距離感」を大切に
婚活におけるお金の問題は、決して一つの正解があるわけではありません。結婚相手にふさわしい人を見つけるには、デートを重ねながらお互いのペースを理解し、心地よい距離感でいられるかを大切にしてみましょう。
恋愛における金銭感覚は、「お互いをどう思いやれるか」にもつながります。デート中に感じた違和感が気になったときは、自分が本当に求めている価値観や相手への理想を改めて考えてみると、ふさわしい相手かどうかが見えてくるかもしれません。
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