恋愛経験の少ない彼女たちが求める「ドキドキ感」とは？
「社会に出たら結婚するのが当たり前」「結婚して一人前」と言われた時代は、もはや過去のもの。現代は、結婚をするかどうかが完全に「個人の選択」になりつつあります。それでも、「いつかは結婚したい」という気持ちを胸に、婚活に踏み出す人は少なくありません。
ただ、婚活は想像以上にシビアな現実を突きつけてきます。思ったようにうまくいかず、何度も会っては疲弊し、次第に「やっぱり結婚は自分には向いていないのかも…」と感じる女性も少なくないようです。今回は、婚活現場での実例をもとに、「なぜ婚活に疲れてしまうのか」「婚活を続けるためにはどうすればいいのか」について考えてみます。
恋愛経験のない女性ほど婚活に疲れやすい？
実際に多いのが、「恋愛経験が少ないまま婚活を始めた女性が早い段階で疲れを感じる」というケース。婚活が難航し、「自分には向いていないのかも…」と感じてしまうのは、恋愛の経験が少ない女性に顕著な傾向が見られます。
たとえば、婚活を始めてみたものの、どのような相手を選べばよいのかわからず、出会う相手との関係が進展しないという悩みです。男性側も初めての婚活で戸惑う人は多いですが、彼らは回数を重ねることで場慣れし、成婚につながるケースも少なくありません。しかし、恋愛経験が少ない女性にとって、出会いの場は心理的な負担が大きく、結果として「結婚は自分には向いていない」と感じることが多いのです。
「結婚を後回しにしてきた」39歳の梨香さんのケース
39歳の梨香さん（仮名）は、医療従事者として働き、収入も安定している女性です。趣味や友人との時間も充実しており、貯金もあるため、金銭面での不安はありませんでした。けれども、「年齢的に今しかないかも」という焦りから婚活をスタート。「この一年で結婚し、できれば子どもも授かりたい」と初めて婚活を意識するようになりました。
しかし、恋愛経験が少ない梨香さんは「どのような男性を選べばよいのか基準がわからない」と感じていました。仲人である筆者は、まずは「プロフィールの年齢、年収、趣味などを見て、少しでも“合いそう”と思える人と会ってみましょう」とアドバイスをしました。
彼女は最初の1カ月で10人の男性とお見合いをしましたが、話が合わずすべてお断りをしてしまいました。なかには、デートに少し遅れてくるなどの男性もいて、彼女は「先に席を取るべきか？」などと気を使うことに疲れてしまったようです。
そこで「自分から申し込む男性を決めてみるのはどう？」と提案しました。自分が会いたい相手を見つけた梨香さんは、そのうちの一人である裕也さん（41歳・仮名）と交際に進みました。ところが、真剣交際を意識するタイミングで彼が手を握ってきた際、彼に対しての違和感を感じ、「自分には結婚は無理」と思ってしまったと言います。
アプリで200人以上に会ったけど結婚には至らなかった恵美さんのケース
もうひとりの例として、40歳の恵美さん（仮名）のケースをご紹介します。恵美さんは27歳のときに3年間付き合った彼氏がいましたが、結婚の話を持ち出した途端、彼から「まだ家庭を持つ自信がない」と言われ、結局別れを選びました。その後、婚活をするようになり、まずは婚活アプリに登録し、200人ほどの男性と会ったといいます。
初対面で素敵だと感じた男性もいましたが、話を進めるうちに「別居中の妻がいる」「実は既婚者だった」などのケースが続き、だんだんと婚活に疲れを感じるようになりました。彼女はその後、結婚相談所にも登録しましたが、アプリと併用していることが返って出会いを取り散らかしてしまい、集中しきれなかったと言います。
恵美さんは、婚活を続けるためには、自分の理想にしっかり向き合いながら、リアルな生活にも目を向ける必要があったのです。
婚活が長期化してしまう原因とは？
多くの婚活者が悩むのは、「好きになれる相手と出会えない」「気持ちがドキドキしない」という点です。長年恋愛経験がなかったり、恋愛から遠ざかっていた人ほど、婚活で「一気に理想の相手を見つけよう」としがちです。けれども、実際には「条件と現実」の間でギャップを感じ、「もっといい人がいるのでは？」と思ううちに月日が経ってしまうのです。
実際に、婚活市場で求められる理想の条件が「現実的なもの」かどうかを確認しながら進めることが重要です。お見合いやデートで意気投合しないことが続くと、自分の条件が高すぎるのかを見直すきっかけにもなるかもしれません。自分が掲げる条件を少しずつ見直し、お互いに自然体でいられる相手を探す視点を持つことも大切です。
婚活成功のために大切にしたい心構え
婚活で重要なのは、理想を追い求めるあまり現実を見失わないことです。お互いの価値観を尊重しながら、柔軟に相手を理解する姿勢を大切にしましょう。
- 理想を絞り込む
出会いを重ねるうちに、「条件にこだわりすぎると相手が見つからない」という現実を知る方も多いでしょう。たとえば、年収や見た目といった表面的な条件にこだわらず、性格や価値観を重視することで、自分に合った相手に巡り会いやすくなることもあります。 - 出会いの場に期待しすぎない
婚活では、1回のデートで運命の相手に出会うことを期待するのではなく、相手の長所や短所を含めて知ることが大切です。時間をかけてゆっくりと関係を築き上げる気持ちで向き合うと、お互いをより深く理解するきっかけになります。 - 「選ぶ」だけでなく「選ばれる」姿勢を持つ
婚活は、自分が選ぶ立場だけでなく「相手から選ばれる」という意識を持つことで、相手に対する接し方も変わってくるもの。結婚はお互いに選び合うことで成立するので、相手にとって魅力的に映るような自己アピールも重要です。
「一人を大切にする」意識が婚活成功のカギ
婚活では、数をこなすことも大切ですが、出会う相手一人ひとりを大切にし、しっかりと向き合うことが何よりも重要です。婚活アプリでも結婚相談所でも、数多くの相手と出会うチャンスがありますが、「一人ひとりとしっかり向き合う」姿勢が最も大切なポイントです。
これまでの恋愛で経験してきた「ドキドキ感」や「ときめき」を期待しすぎず、理想に固執せず、日常の中で心地よくいられる相手と出会えると、結婚への一歩が近づくはずです。婚活の中で「特別な存在」を見つけるためにも、「一人ひとりとの出会い」を大切にして、心から向き合う姿勢を忘れずに進めていきましょう。
コメント